石巻コミュニケーション&インフォメーションセンター

 2011年の東日本大震災と津波で

甚大な被害をうけた宮城県石巻市では、2011年の瓦礫撤去からはじまって、

すまいの高台移転・内陸移転、漁業などのなりわいの復旧など、多くの復興まちづくりが行われています。

 しかし、2011年からアーキエイド

(東日本大震災における建築家による復興支援ネットワーク)の牡鹿半島支援チームとして、半島部のヒアリングや全体のマネジメントに関わるなかでわかったことは、そういった復興や復旧、将来のまちづくりの情報が住民に伝わっていく場はとても少なく、自分たちの町がどうなっていくか、具体的に話し合いをするための情報を得る場所が少ないことでした。

 そこで2014年に、「市民同士が、来訪者が、復興を知り、伝え、広げていく施設」としての復興まちづくり情報交流館を石巻中央・日和山・牡鹿(鮎川)・雄勝・北上・河北に設置することがきまりました。

 福屋研究室では、株式会社AL建築設計事務所と共同で、陸前高田・女川・南三陸、また石巻の民間伝承施設を含めてリサーチを行い、市民が調べ物をするだけでなくもっと気軽に立ち寄れる、また展示コンテンツも市民の手で変えて行けるような、

可変性が高くかつ居心地のよい展示空間を<小さな箱のなかの大きなノート>を

コンセプトに設計し、仮設のプレハブ建築と展示空間の監修を行いました。

また日和山には景観と調和した独立サインを設けて、シンプルでありながら、震災時を思い起こさせるポイントをつくりました。

 中央館には、中央に<大きなノート>としての模型とホワイトボードがあり、模型を囲みながら話し合いや調べ物ができる<小さなハコ>の空間には、今日も多くの人が訪れています。